《最新機器の導入や専門家の力を借りての“攻めの姿勢”》
飲食店で水道光熱費を下げる方法で一般的なものは、一般家庭でも普及しているLEDを店内に取り入れ電気代を削減する。電子ブレーカーを設置して電気の基本料金を下げる。経費削減コンサルタントに相談してガス代を抑える。コスト削減の商材を導入して水道代を節約する、といったやり方です。
従来のコスト削減方法が日常業務においてのひと工夫といった内容のものだったのに対し、現代ならではのコスト削減方法は、最新機器の導入や専門家の力を借りて取り組む“攻めの姿勢”が特徴と言えるでしょう。実際、そうした飲食店の水光熱費削減をサポートする企業も数多く登場してきています。
《水光熱費削減の最新事情》
① LEDの普及
電球を取り換えるだけで従来の1/8とも言われる電気代削減を実現。さらに、「LED=エコ」とのイメージの定着で、環境に優しい店との好印象をお客に与えられます。
② 経費削減コンサルタントの登場
電気、ガス、水道などそれぞれの立場に精通したプロフェッショナルなコンサルタントが登場し、的確なアドバイスを身近に受けることができるようになりました。
③ ネットでの情報収集が容易に
「水光熱費」「削減」などのキーワードを打ち込めば、それに関わる企業を容易に見つけることができます。
④ 事前予測が可能
従来の水光熱費削減法が毎日の営業の中でコツコツ取り組むものだったのに対し、現代的な削減方法は事前にどれくらい削減できるかの数字が読みやすいのが特徴です。
《飲食店の水道光熱費削減テクニック例》
1 水道代削減
水道設備に特別な器具を入れて、水を減らして水圧を変えない設備を導入するのがポピュラーです。多くの店で30%前後の水道代金が削減できているようです。
2 電気料金削減
前述の通り、LEDへの切り換えが人気ですが、単純に入れ替えるだけですと店の雰囲気が変わってしまう場合が多いのでプロと協力することをお勧めします。また、高性能の電子ブレーカーなどの設備を入れることで削減できる方法もあります。その他色々な方法がありますが、プロに相談することをお勧めします。
3.ガス料金の削減
都市ガスの場合、ガス会社との契約方法だけで下がる場合もあります。また、熱効率が優れたタイプの寸胴に変えただけで、ガス料金が大幅に削減できるケースもあります。
《取材協力企業の紹介》
今回は、数ある水光熱費削減のサポーター企業から、「飲食プロネット」の取材に協力いただいた飲食店に力をいれてくれる注目の5社を紹介します。
ここ2~3年の急激なLEDの普及に伴ない、LEDの情報が巷に多数氾濫しています。その結果、導入を考えてはいるものの、どこから手をつけてよいのか皆目見当がつかないという飲食店も決して少なくありません。そうした中、自らを「LEDに特化したサービス業」と謳い、LEDのエキスパートとして数々の実績を上げているのが㈱Halmaです。同社では依頼店の状態の把握、LED照明のプランニング、数値・金額に反映させるコンサルティングを一貫して行ない、LED商材を開発するメーカーと飲食店を最適な形でつなぐ役割を果たしています。
LED照明導入までの流れは、まず最初は現況把握・調査・診断。新規施設の場合は従来光源の照明効果検証を。既存施設の場合は既存照明器具の調査、照明空間の把握、現状図がない時は現況照明のCAD図面作成を行ないます。次にLED照明プランニング、数値・数字でのレポートとして、LED照明CAD図面や経済シュミレーションを作成します。さらに、購入スキーム比較分析、LED照明導入の判断として、LED照明のプレゼンテーション、LED照明のDEMO設置、LED購入スキーム提案を。そして最後にLED照明の導入として、導入方法確定、契約、LED照明設置、ライティング調整といった工程で、ユーザー視点に立ちながら川上から川下までワンストップで行ないます。また、従来の照明プランニングとは違ってメーカー色がなく、提携一次代理店(商社)との直接販売による中間マージンカットを実現。また、従来光源照明器具に合わせたレトロフィットLEDランプを中心に設計するなどして差別化を図っています。
㈱Halmaが「LEDサービス業」としての姿勢を打ち出すのは、同社代表がもともと大手居酒屋チェーン店企業に在籍し、120店舗規模から700店舗規模まで成長する間に立ち上げスタッフとして関わった経歴をもとに、現場の人間の気持ちを誰よりも分かっているからに他なりません。だからこそ、常にユーザーの立場を慮った取り組みで依頼先から大変好評を博しているのです。
㈱Halma
⇒ http://www.inpronet.jp/search/15/15_07/1156.html
店内全体を照らす照明もあれば、卓上や壁などをポイント的に照らす照明もある。さらには足元を効果的に照らす間接照明もあれば、店頭できらびやかに輝く電飾看板など、1店の飲食店で用いられる照明は実に種類が様々です。そのため、照明が切れていざ交換しようとしたものの、専門性の高い飲食店の照明だけにどれを買えばよいのかが分からない。あるいは買ってみたら若干色違いだった、といった苦い経験のある方も多いのではないでしょうか? そうした飲食店の悩みに応えてくれるのがランプ・照明器具の専門商社、㈲プラスライトです。
同社では依頼のあったお店を訪問し(遠隔地に関しては要相談)、使用電球の調査、電球交換による省エネの提案を行ない、さらに店舗専用のオーダー用紙を無料で作成しています。オーダー用紙にはその店で使用する電球の型番、光角、商品名、商品写真が記載されており、お店の人はそれを見ながら注文すればよいので、どのスタッフが担当しても注文はスムーズ。買い間違えの心配もありません。そのため、複数店舗あって店長の異動があるような飲食店でも安心です。こうした利便性だけでなく、とにかく販売価格の安さが同社の一番の強み。国内のほぼ全メーカーの電球をフォローしており、すべて50~75%オフという驚きの価格に。これはランプ・照明器具に特化した商社だからこそできる業で、現在6000店舗ものお店の注文に対応しており、その内の8割が飲食店。3000円以上の購入で送料も無料になります。
最近ではLEDの注文も多く、同社ではランプだけを交換するレトロフィットがよいのか? あるいは器具ごと交換した方がよいのか? 節電だけでなく、お店のイメージを損なわないように細心の注意を払いながら様々な交換の仕方を提案。また場合によっては、LEDほどではないが節電効果があって価格もより安価なダイクロハロゲンの使用を提案するなど、予算と相談しながらお店の立場に立った最適な節電対策を親切丁寧にアドバイスしてくれます。
(有)プラスライト
⇒ http://www.inpronet.jp/search/15/15_07/1165.html
「売上+経費削減=最大利益」との考えの下に経費削減事業部を設立し、飲食店の“最大利益”のために日々努めているのが、㈱ディライトコーポレーションです。自社の強みを「実績とお客様の声が強みです」と語るように、同社は電気、水道、ガスと飲食店経営に不可欠なランニングコストの削減に尽力しており、確実な削減を実現。例えば、電気料金削減だけでも同社が手がけた925社中、765社と実に約83%もの高い削減率を達成しています。その削減成功の要因は3つあり、1つ目は1つの項目に対しての豊富な削減方法を持ち得ていること。2つ目はあらゆる物を“見える化”することでお客からの信頼を勝ち取り、反響を高めること。3つ目は約400項目以上という膨大な削減方法の所有です。幅広い削減方法で多様な顧客ニーズに応えることができるのが、何よりの強みと言えるでしょう。具体的には、電気は電力単価を適切な電力購入価格に変更することで、約3~30%(最大75%)のコスト削減に。また、空調システムを自動制御することで電気料金を約8~33%削減しています。
一方、水道代は「上水道料金」「下水道料金」の2つの料金が足されて成り立っており、「上水道の使用量をそのまま100%下水道に流す」との仮定の下に課金する「みなし制度」が取られています。そこで同社は、「下水道に排出されない水量が相当量あり、それを確実に計測することができれば、その水量分を認定申請し削減する」という「下水道排出量減量認定申請」という制度を活用し、約5~30%(最大35%)のコスト削減に取り組んでいます。また、20%のコストダウンを図る節水システムも併用。さらに、ガス料金も約5~38%のコスト削減に成功しています。
こうしたコスト削減の商材は9割以上が成果報酬の商品のため導入しやすく、商材が多くあるため他社と比べて報酬金額も割安です。また、報酬なしの無料の削減商材も保有。常にお客の純利益とサービスを考え、経費削減と売上向上の2つの視点から見ることで、適材適所の提案を可能としているのです。
㈱ディライトコーポレーション
⇒ http://www.inpronet.jp/search/15/15_07/1222.html
LEDに興味はあるものの、まだまだその価格の高さからなかなか導入に踏み切れない飲食店も多いのではないでしょうか? そうした中、業界初の完全レンタルを打ち出しているのが、㈱エコテックです。一般にレンタルを謳うものの、1年以内に解約すると違約金が発生するといった縛りがあるケースも少なくありません。だが同社の場合、いつでも解約可能で、たとえ解約しても違約金もなし。設置費用もかからず、電球ひとつからレンタルが可能!と、それだけにLEDに興味のある方は、思い切って一度試されてみるのもよいでしょう。
同社では問い合わせがあると担当者が基本的なサンプルを持ってお店へ出向き、1~2ヵ所をLEDに変えてみて実際にLEDを体験してもらいます。 その際に担当者がそのお店がどんな照明を使用しているのかをチェックし、次回はそのお店の規格に合った豊富なラインナップのLEDを持って、再び来店。色合いはどうか、明るさはどうかといろいろ試してもらい、納得した上でレンタル契約を結びます。そのため、依頼主が店を閉めるようになったといった特殊なケースを除き、解約はほとんどなし。大半のお客がその内容に満足して契約を継続されています。
LEDを導入して2~3ヵ月もすると、電気代が落ちてきたという認識をよりいっそう強くされることでしょう。電気代は従来の約1/8ほどになり、例えば、計32本導入した居酒屋は年間7万2000円、計100本導入したすし居酒屋は年間18万円もの節電に成功しています。
現在、同社が手がけた導入店は1000店近くあり、その半分が飲食店です。またLEDは照明焼けせず熱くならないため、クーラーのききが飛躍的に向上。紫外線をほとんど出さないので虫も寄りつきません。寿命は既存の照明に比べて10倍以上にも伸び、毎月の下がった電気代の中から料金を支払うため、実質初期投資は0円。また、レンタルは満期が5年で、それ以降はレンタル料不要でそのまま使うことができます。
さらに、現在無料試算を申し込んだお客にはクリスマスにぴったりなLEDイルミネーションをプレゼント中と、お得がいっぱいです。 【写真はプレゼント用のイルミネーションのイメージ】
㈱エコテック
⇒ http://www.inpronet.jp/search/15/15_07/1204.html
飲食店がランニングコストの削減を考えた時に、まず真っ先に思い浮かぶのが電気代の削減でしょう。多くは電気を小まめに消すといった方法を考えがちですが、電気の大もとでの削減までには意外に頭が回らないもの。それだけに、大もとでの削減をきちんとできれば、電気代は予想以上に節約できるものなのです。電気代が電力(100V)で月間3万円(基本料+使用料)ほどかかっている飲食店なら9000円~1万円は削減できる。そう提案しているのが、省エネルギー機器の販売&提案を行なう企業、㈱ジョイ・テックです。同社はこれまで1万5000店ほどの飲食店の節電対策に取り組んできており、節電に成功した店の評判を聞いたお店が「それならうちも」と導入するなど、数多くの飲食店から好評を博しています。
同社はまず問い合わせのあったお店に足を運び、変圧設備のキュービクルを導入したビルなどで見られる電気代の契約をオーナーと結んでいる店ではなく、電力会社と直接契約している店かどうかを確認します。そこで後者なら、電力と動力(200V)でそれぞれどれくらい電気代がかかっているかを確認し、工事が可能かどうかを調べた上で節電工事に入ります。節電方法は2つで、1つは電力と動力のブレーカーの間に変圧器を取りつける方法。もう1つは動力に電子ブレーカーを設置して電力会社との基本料金を下げる方法です。
また、同社ではLEDを使った節電も提案。ひと口にLEDと言っても、調光に対応していなかったり、色合いがイメージとは違うといった問題が生じてくるケースもあります。それゆえに、プロのアドバイスがよりいっそう大切になってくるのです。「LEDの導入費用がはたして節電したい金額に見合うものなのか?」。そうしたことも含め、広い視野に立っての節電方法を提案していきます。その成果は、今日までの数多くの飲食店の成功実例が物語っているとも言えるでしょう。
㈱ジェイテック
⇒ http://www.inpronet.jp/search/05/05_14/1121.html
LEDは家電量販店などでも販売されるなど、身近に取り組みやすいコスト削減方法と言えるでしょう。ただ、注意したいのは飲食店の照明は種類が多種に渡り、どれが自店に合うものかが素人目には分かりにくいのが難点です。従来の器具を生かしてランプだけ交換するレトロフィットの場合、LEDに対応できないケースもあります。また、まだまだ調光に対応してないLEDが多いのも現状です。さらには光の広がり具合など、照明は意外にデリケートな要素をいくつも含んでますので、専門家のアドバイスを受けて導入するのが確実ではあります。ガス代、水道代もまた然り。せっかくその道のエキスパートがいるのですから、導入前に納得がいくまでいろいろ尋ねるなどしてある程度の知識を身につけておいた方がよいでしょう。
ライター 印束 義則